安見朋子のスペイン研修旅行記 

6日目 viernes 15de

 ホテルで軽めの朝食を取り、とても寒い中出発です。今日はRiojaにも行く予定でしたが、悪天候のため行っても見れないという事で変更です。残念です。マドリッド方面へ向かう途中、昔、金を採掘していたという山を見せてもらい2時間くらいかかってアビラという町へ。お昼です。

 ここのレストランも一階がバルになています。ピンチョスもずらーっとならんでいて、おしゃれ。本当にバルとレストランが一緒になているところが多いんだなと実感です。またあまりお腹は空いていませんが、トロの近くなので是非、牛が食べたいとリクエストをしました。初めに飲んだコンソメスープは塩っからい!ローストした牛(これまた量がはんぱない!火もほとんど入ってない!)と一緒に出てきたサラダもしょっぱい!ワインはテルモの父のレメリュリのリオハのワインを飲みました。これまたテルモの造るものよりエレガントな感じです。こんな繊細なテンプラリーニョもあるんだなとまた、感心。美味しかったです。

 レストランを出て、アビラから約1時間、マドリッドからも80kmくらいの町Cebroresへ向かいます。トロでも飲んだPEGASOのボデガです。またまた山道つづきで、テルモの運転は荒い・・・

まず、畑に到着。標高1000m位のパラメーラ山の南向きの斜面に収穫を終えたばかりのガルナッチャ(グルナッシュ)の畑が広がっています。面積は5haと小さく、地質は粘板岩で、年間500本ほどしか造っていません。醸造所もとても小さくて立派です。PEGASOの01年と02年と樽から熟成途中のものを試飲させていただきました。600Lのフランス産のバリックで24ヶ月熟成させます。ガルナッチャの果実実がすばらしい!とても深みのあるスパイシーな香りで、Rhoneのワインを飲んでいるようでした。是非、Vinulsでも使ってみたいと思いました。

 ここで、ボデガめぐりは終わりです。スペインで一番美しいといわれる景色を見ながらマドリッドへ向かいました。

 ホテルに着き、1時間くらいマドリッドの市内を見に出てから、テルモと最後の夕食です。Hotel AMERICAは1年ほど前にできた新しいホテルで、シェフも若く、料理もフォアグラとかハトとかフレンチみたいで、ちょっと残念でした。またバカラオのピルピルが出てきたのですが、これは正直ホセリートのゴメス氏が作ってくれたソースの方が美味しかったです。しめは中国茶でした。お茶のソムリエみたいな人が出てきて、いろいろ説明してくれ、土瓶で出てきたのですがぬるい・・・。でも胃にやさしく、ほっとしました。ここでテルモとお別れです。

 テルモの印象は、初めばりばりの実業家なんだと思っていました。スペインのワインを世界に広めようとお父さんの元から独立し新しい事を始めようとする姿勢は、現代的な考え方だなとおもいました。ワインやブドウに対しての情熱も厚く、スペイン全土の土地を自分の足で見てまわり、土地土地の気候や地形などを研究しよりよいブドウを育てる環境を求め続けている姿は、尊敬します。ビオデナミのワインは、バルデオラスのゴデージョで造りたいと言っていましたが、酸化防止剤について、他の土地でのワインづくりでは必要ならば使うし、絶対に使いたくないとか反対に使わなければいけないというふうに重要な問題ではないとおっしゃっていました。バルデオラスの山の畑は、東京で生活をしている私には澄んだ空気がとてもおいしく、ここで育つブドウはうまいに違いない!と思いました。とても田舎でなんにもありませんが、土地の人と一緒に生活し、私もブドウを育てる事に参加してみたくなりました。

 夜も遅い時間でしたがスペイン最後の夜なので、みなさんマドリッドの夜に消えます。明日はまた早くにでなければなりません。

PEGASOのボデガ

PEGASOを造っている、

フーリャじいちゃん

セブロスのガルナッチャの畑にてテルモと

ガルナッチャ

標高1000メートルにあります。

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